既存建物調査専門のコンサルタント

 

(シーアールプラン)

OFFICIAL  WEBSITE  <<会社概要>>

 

<沈下被害>

<振動被害> <不同沈下測定> <住宅診断> <耐震診断> <事例紹介> <各種調査> <リンク集>
 <<HOME>>  
 少なくともこれだけ知っておきたい知識+αの一部を紹介します。

 ・工事振動被害関係

 ・地盤変動被害関係

 ・その他事業損失関係

<<工事振動被害関係>>

 

(1)振動規制法の特定建設作業

  1. くい打機(もんけん及び圧入式くい打機を除く。)、くい抜機(油圧式くい抜機を除く。)又はくい打くい抜機(圧入式くい打くい抜機を除く。)を使用する作業

  2. 鋼球を使用して建築物その他の工作物を破壊する作業

  3. 舗装版破砕機を使用する作業(作業地点が連続的に移動する作業にあつては、一日における当該作業に係る二地点間の最大距離が五〇メートルを超えない作業に限る。)

  4. ブレーカー(手持式のものを除く。)を使用する作業(作業地点が連続的に移動する作業にあつては、一日における当該作業に係る二地点間の最大距離が五〇メートルを超えない作業に限る。)

※上記作業以外にも条例により付加される場合がある

(2)振動規正法による特定建設作業規制基準

 

表-1 特定建設作業の規制基準
区域 作業禁止時刻 作業時間 作業期間 作業禁止日 規制値
第1種 午後7時〜午前7時 1日10時間 連続6日以内 日曜休日 75dB
第2種 午後10時〜午前6時 1日14時間
第1種区域: 良好な住居の環境を保全するため、特に静穏の保持を必要とする区域及び住宅の用に供されているため、静穏の保持を必要とする区域
第2種区域: 住宅の用に合わせて商業、工業等の用に供されている地域であって、その区域内の住民の生活環境を保全するため、振動の発生を防止する必要がある区域及び主として工業等の用に供されている区域であって、その区域内の住民の生活環境を悪化させないため、著しい村道の発生を防止する必要がある区域
※上記以外にも条例により規制される場合がある。

 

 

(3)建設作業振動の大きさの目安

「よくわかる建設作業振動防止の手引き」(環境省環境管理局大気生活環境室)より

 

 

(4)震度階級と振動レベルと加速度

 

表-2 震度階と加速度と振動レベルの目安
震度階級 加速度(gal) 振動レベル(dB)
0 0.8以下 55dB以下
I 0.8〜2.5 55〜65
II 2.5〜8 65〜75
III 8〜25 75〜85
VI 25〜80 85〜95
V(弱) 80〜250 95〜105
V(強)
VI(弱) 250〜400 105〜109
VI(強)
VII 400以上 109以上

※気象庁震度階についてはこちらが参考になります。

 

(5)建物の工事振動被害の判定手法

1)工事振動発生源を特定する

     ↓

2)振動源の基準レベルを設定し建物位置の振動レベルを推定する

     ↓

3)建物内の増幅倍率を調査設定する

     ↓

4)応答振動加速度から建物の変形量を推定する

     ↓

5)建物の変形角から損傷程度を判定する

 

 

(6)建物被害に関する知識

《そのほか振動被害の豆知識》

・振動による物的被害感が生じるレベル→70dB(地表面)

・通常の木造建物の被害発生レベル→85dB(建物内)

・鉄筋コンクリート建物の被害発生レベル→95dB(建物内)

・建物内の増幅→約5〜10dB

・振動の距離減衰は倍距離で約-6dB

 


<<工事振動被害関係参考資料>>

1

建設工事作業の振動レベルが参考になります

「建設工事振動防止の手引き」

環境省環境管理局大気生活環境室

2

震度階と建物の被害の関係

気象庁震度階級関連解説表

気象庁

3

振動に関する基本知識について勉強しましょう

「公害防止の技術と法規(騒音・振動)」

社団法人産業環境管理協会

4

床振動に関する居住性能の性指針

「建築物の振動に関する居住性能評価指針 同解説」

日本建築学会

5

実大建物の振動実験の報告

「建設工事被害を想定した実大建物振動実験」

中央建鉄株式会社

中央技術研究所

6

過去の地震データが検索できます

強震ネットワークK-NET

防災科学技術研究所

7

振動計などの計器に関する情報満載です 

小野測器技術レポート

小野測器

8

振動の苦情に関する調査報告

「建設作業振動の苦情実態」

飯盛洋・佐野昌伴

 


<<地盤変動被害関係>>

 

(1)建物の地盤変動被害の被害認定の手法

1)工事内容から影響要因を特定する

     ↓

2)影響要因について工事内容と地盤条件から影響範囲を試算する

     ↓

3)不同沈下状況や損傷状況から建物への影響範囲を特定する

     ↓

4)損傷状況と不同沈下測定から沈下形状と沈下量(傾斜角・変形角)を算出する

     ↓

5)沈下傾斜程度(傾斜角・変形角)と損傷状況の照合から被害認定する

 

 

(2)工事による地盤変動の要因

表-1 地盤変動要因

工事種別

地盤変動要因

影響範囲算定方法例

開削工事

・掘削時の土留壁のたわみ

・埋戻し不良

・土留矢板の引き抜き

・湧水の排水に伴う圧密沈下

・peckの掘削深さと沈下量の関係図

・近接施工要領による影響範囲

・一次元圧密計算

・FEM

シールド・推進工事

・切り羽の不安定

・テールボイド

・地下水による圧密沈下

・peck o rリマノフによる理論式

・FEM

盛土工事

・盛土荷重による圧密沈下

・一次元圧密計算

・軟弱地盤層厚との関係図

 

 

(3)建物の沈下形状「一体傾斜」と「変形傾斜」の違い)

建物に不同沈下が生じた場合、建物の沈下形状は以下のように大別されます。ひび割れなどの構造的な問題は変形傾斜の場合で、一体傾斜の場合は使用性や機能性が問題となり、構造的な問題が生じる事はありません。

「小規模建築物基礎設計指針」(日本建築学会)p254より

 

 

(4)木造建物の各沈下量と障害程度の関係

建物に不同沈下が生じた場合、建物の沈下形状により扱う沈下量は異なります。一体傾斜の場合には「傾斜角」、変形傾斜の場合には「傾斜角」と「変形角」に着目する必要があります。傾斜角は使用性や機能性、変形角は損傷等の構造的な不具合が問題がとなります。

表-2 傾斜角と障害程度の関係

傾斜角

障害程度

レベル

3/1000以下

品確法技術的基準レベル-1相当

1

4/1000

不具合がみられる

2

5/1000

不同沈下を意識する

水はけが悪くなる

6/1000

品確法技術的基準レベル-3相当。不同沈下を強く意識し申し立てが急増する.

3

7/1000

建具が自然に動くのが顕著に見られる

8/1000

殆どの建物で建具が自然に動く

4

10/1000

排水管の逆勾配

17/1000

生理的な限界

5

表-3 変形角と損傷程度の関係

変形角

損傷程度

レベル

2/1000以下

損傷が明らかでない範囲

0

23/1000

建付と内外壁の損傷が5割を超え損傷発生が目立つ内外壁の損傷は0.5o程度,建付隙間3o程度,木工仕口隙間2o以下

1

35/1000

損傷程度が著しくなる基礎亀裂の拡大傾向が見られ,無筋基礎,内外壁の損傷が0.5o程度,建付隙間5o程度,木工仕口隙間が2oを超える

2

58/1000

多くの損傷発生が5割を超え顕著有筋基礎でも多くの建物で0.5oを超える亀裂,内外壁の損傷は1o,建付隙間は10oを超え,木工仕口隙間4o程度以上となる

3

812/1000

損傷程度はさらに著しくなるが損傷発生率は頭打ち塑性的傾向を示す有筋基礎でも1o程度の亀裂,内外壁の損傷2o程度,建付隙間15o程度,木工仕口隙間5o程度程度となる

4

「小規模建築物基礎設計指針」(日本建築学会)p254〜255より

 

(5)非木造建物の許容沈下量

 

表-4 構造別の限界変形角の例

支持地盤

構造種別

基礎形式

下限変形角

×10-3rad

上限変形角

×10-3rad

圧密層

RC

独立・布・べた

0.7

1.5

RCW

0.8

1.8

CB

 

0.3

1.0

W

 

1.0

2.03.0

風化花崗岩

(マサ土)

RC

独立

0.6

1.4

RCW

0.7

1.7

砂 層

RCRCW

独立・布・べた

0.5

1.0

CB

0.3

1.0

洪積粘性土

RC

独立

0.5

1.0

すべての地盤

S

独立・布(非たわみ性仕上げ)

2.0

3.5

下限変形角:

亀裂の発生する区間数が発生しない区関数を越える変形角で、亀裂発生確率が50%を超える変形角または亀裂発生区間累加数は30%を超える変形角のこと

上限変形角:

ほとんど亀裂の出る変形角のことで、亀裂発生区間累加数が70%を超える変形角のこと

RC:鉄筋コンクリート造 RCW:壁式鉄筋コンクリート造 CB:コンクリートブロック造

W:木造 S:鉄骨造

「建築基礎構造設計指針」(日本建築学会)p153より

 

 

(6)「住宅の品質確保の促進等に関する法律」74条技術的基準

 「住宅紛争処理の参考となるべき技術的基準」による構造上主要な部分に瑕疵が存する可能性は以下の通り。

-5 床傾斜のレベル区分

レベル

床傾斜の程度

瑕疵が存する可能性

1

3/1000未満の勾配の傾斜

低い

2

3/1000以上6/1000未満の勾配の傾斜

一定程度存する

3

6/1000以上の勾配の傾斜

高い

-6 柱傾斜のレベル区分

レベル

柱傾斜の程度

瑕疵が存する可能性

1

3/1000未満の勾配の傾斜

低い

2

3/1000以上6/1000未満の勾配の傾斜

一定程度存する

3

6/1000以上の勾配の傾斜

高い

建設省告示第1653号 平成12年7月

 

 

(8)建物被害についてのその他の知識

《そのほか地盤変動被害の豆知識》

・木造建物の地盤変動被害の発生限界→約5o(1/1000)

・めまいなど人間の生理的限界→約1°(17/1000)

・盛土による影響範囲→軟弱地盤厚さの1.5倍

・矢板を引き抜いた場合の影響範囲→最大矢板長の1.4倍

・シールド推進工事の影響範囲→(管径+土被り)×1.4倍

 


<<地盤変動被害関係参考資料>>

1

住宅の不同に関する沈下と障害の関係

日本建築学会「小規模建築物基礎設計指針」

第10章 基礎の障害と修復

2

住宅の基礎と不同沈下の詳細調査について

建築技術「特集 住宅の地盤と基礎の診断と補強・補修」

「基礎の調査法と診断方法」

3

非木造建築物の沈下許容値について。

日本建築学会「建築基礎構造設計指針」

 

(4)沈下限界値の目安

4

 擁壁の危険度についての概略的な調査方法

国土交通省

我が家の擁壁チェックシート(案)

5

 建設工事の掘削等による影響範囲

建設省技術研究会

 「近接施工要領」

 


All Rights Reserved, Copyright(C)  CR Plan