<<不同沈下と障害程度の評価>>
不同沈下による障害は以下のような経路で建物の損傷が生じます。
不同沈下による損傷の発生
(1)何らかの原因で地盤に変動(沈下)が生じる
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(2)建物の基礎が不同沈下する
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(3)基礎に損傷と変形が生じる
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(4)建物の柱梁(躯体)に変形が生じる
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(5)内外壁・建具などに不具合が生じる
このため「基礎の不同沈下」「基礎の損傷」「構造躯体の変形」、この3つがポイントです。
このポイントを押さえて、それぞれの状況を正確に把握することで、見られる損傷が不同沈下によるものなのかが判断できます。
不同沈下状況の評価も日本建築学会「小規模建築物基礎設計指針」によります。
不同沈下の沈下形状には、図-2のように、「一体傾斜」と「変形傾斜」があります。
壁のひび割れなどの損傷は「変形傾斜」の場合です。「一体傾斜」は不同沈下が生じても「基礎の損傷」と「構造躯体の変形」が生じていない場合です。このときは、床の傾斜や排水不良などの障害はあっても、ひび割れなどの損傷は発生しません。建物の損傷(不具合)は不同沈下ばかりではないので、まずは不同沈下状況を正確に評価することが重要です。
不同沈下がある場合、「一体傾斜」では、床の傾斜や排水不良、建具が自然に動くなど、床の傾斜角と障害程度の関係は表-1が参考になります。一方、「変形傾斜」では、壁のひび割れや建具の建付不良や開閉不良など、変形角と損傷程度の関係は表-2が参考になります。
このように沈下形状を判断すると共に、沈下形状別に障害程度を評価することが重要です。
調査費用 木造住宅2階建100m2以下上記不同沈下測定+障害程度の評価 約8万円(詳しくはお問い合わせください)
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